駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報 ドクターリレー Vol.5
2012年8月1日
安里 満信(4期、フリーター医師&みんなの党栃木県議会下野市支部長)
駿台甲府高校4期生の安里 満信(あさと みつのぶ)です。同期の薬袋正人先生からの紹介で快く引き受けさせて頂きました。
私は、東京医大卒業後は自治医大救命救急センターに入局し、ずっと救急医療専門で働いてきました。救急医療をやっているので、外からの救急車の大学病院への搬送依頼は救命救急センターのドクターのPHSにかかってきます。
そんななかで医療の厳しい現実をみてきました。「今日はベッドが満床だから救急患者は受け入れられない」「専門科の先生がいない」「他の患者さんの処置中」などなどいろいろな理由で日本全国の病院が救急車の搬送依頼を断る例が後をたちませんでした。これがいわゆる「救急車のたらい回し」です。奈良の妊産婦さんのたらい回しや東京でも妊婦さんのたらい回しがありました。慢性的な医師不足に臨床研修医師制度の改正が追いうちをかけ地方の病院に医者がいなくなり地域医療の崩壊、そして救急車のたらい回しという負のスパイラルが形成されたわけです。救命救急医としてこの問題に非常に憤りを感じ大学病院を退職する前の2年間、救急車を自分だけは断らないという思いでそれを実践してきました。しかし個人で頑張っても日本全国たらい回しがおきている現状をみてこれはシステムを変えるしかないと思うようになりました。
そして2011年4月の栃木県議会選挙に地域救急医療改革をめざし立候補しましたが落選。今はフリーター医師をしながら政党の支部長として再度チャレンジすべく活動をしているといったところです。
診療所での赤ちゃんからお年寄りまでのプライマリケア外来診療や在宅患者さんの往診、民間病院の夜間当直、介護福祉施設での入所者の健康管理、健診センターで人間ドック受診者の診察、結果説明、健康相談など。救命救急センター以外のあらゆるジャンルの医療をやっています。
今まで救命救急医としての視点から医療の問題を考えてきましたが別の立場からもみているので物事の本質をよりつかめるようになりました。医療・福祉のこの経験を是非、行政に乗り込んで地域モデルを作るのが今の自分の夢です。フェイスブック、twitter、ブログもやっています。同窓というご縁で皆さまとつながっていければ嬉しいです。