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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報 ドクターリレー Vol.6

山 田 博 之(4期、国立病院機構盛岡病院)

 

 駿台甲府高校4期生の山田 博之です。
今回、発言の機会を安里先生からいただき、旧友からの依頼ということで、引き受けさせていただきました。狭心症、心不全、気管支喘息、結核感染、・・・ここに書く内容として、どれも何か違う。正直な話、何を書けばいいか悩みました。

 私は現在、内科医として国立盛岡病院で働いています。国立病院機構という独立行政法人というお役所の中の1病院です。つまり、準公務員の医者です。循環器専門医、アレルギー学会の専門医を有していますが、様々な分野の治療を行っております。

高齢の患者さんを診ることが多く、医療の進歩、患者さんの高齢化によりチーム医療の必要性を実感しています。1人の知識、経験では解決できないとき、他人の力が必要になります。このとき、どうやって相手の力を借りるか、これは医療技術以上の大切な技術です。自分と同じ指紋の人もいないし、記憶力も違います。すべての人はオンリーワンなのだから、自分で試行錯誤しながら学ばなくてはいけません。

 ソクラテスの学校の入り口には、「自分を知れ」とあったそうです。自分に何が出来て、何が出来ないのか知らなくてはいけません。いま、やっていいこと、やってはいけないこと、やったほうがいいこと、やらないほうがいいことを知らなくてはいけません。自分のレベルを知っていれば、自分でもできるけど、リスクなど総合的に判断して、他にお願いするほうが良いということも出てきます。

 皆さんは、「医者」と、ひとくくりに考えるかもしれませんが、働く医療施設で、行えることがかなり違います。医師生活も、働く場所でかなり違います。医学部生は、卒業したら、よく考え、自分にあった職場を選んでください。はじめは、自分にとって、少しきついくらいの病院での修行が良いと思います。

医学部を目指している人は、一度だめでもあきらめずにチャレンジしてみてください。情熱を持ち、きちんと計画をたてて、1つずつクリアーしていけば、時間がかかっても成功できると思います。計画時間内にクリアーすることが大切ですので、だらだらしていてはいけません。そのためには、何らかの犠牲が必要になるかもしれません。

 風呂と、、、は入れるときに入れとけ、、という大変な生活になるかもしれませんが、覚悟きめてがんばってください。遊び上手でアツーい人のほうが、人を相手にする仕事である医者にはあっていると思いますので高校の学業成績がイマイチでも心配ありません。たいへんですが医者はやりがいのある仕事です。 がんばって医学部合格してください。今までと違った世界が待っています。

 過去-現在 -未来。
過去は変えられない。現在も進行中。でも未来は、自分で変えることが出来るのです。

あと、親、先生には、花にも早咲きと遅咲きがあるし、咲かない花もあるということを理解していただきたいです。他と比較されるのはつらいことです。出来の良し悪しは、自分がいちばんわかっているんですから。

 私も高校卒業までさまざまなことがありました。つらいこと、楽しいこと、怒りのあまり、、、、先輩や先生にずいぶん可愛いがってもらったり(かわいがるにはいろいろな意味がありますが)、いろいろなことがありましたが、あっという間の3年間でした。卒業後の医学部でもだいぶ環境が違うため苦労しました。

しかし医師になってから高校時代の経験は非常に役立ちました。医師は様々なタイプの患者さん、医師と関わらなくてはならない職業ですが、駿台甲府で過ごした教師、先輩、同級生、後輩には個性的な人が多かったからです(「君もだいぶ個性的だけど」といわれるかもしれませんが)。試験勉強では毒にこそなれ薬にはなることのない悪友たちが、社会にでるとワクチンとして働いてくれたのです。

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