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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報 ドクターリレー Vol.11

森澤 宏行(19期 自治医科大学産婦人科勤務)

 駿台甲府同窓生医師ドクターリレー11回目は19期生、森澤宏行が担当させていただきます。

 北里大学医学部を卒業し自治医科大学へ就職、初期研修を経て同大学の産婦人科に入局しました。10回目を担当した車先生とは彼が学生のときに同郷、同窓ということもあり産婦人科実習で指導させていただきました。

 産婦人科について少し紹介です。産婦人科というのは実は産科と婦人科の2つの科で成り立っています。おおざっぱに言うと産科は妊娠、分娩を扱い、婦人科は子宮や卵巣の癌などの病気と不妊治療に分かれます。一般的に産婦人科というと産科のイメージと思いますが、実は産婦人科は女性の卵子からの一生全てを診る幅広い科なんです。

 今回は妊娠、出産についてのお話です。

 妊娠は十月十日なんていいますが、「朝」という漢字はこの在胎期間から由来しているなんて説もあるようです。

 私たちは妊娠何か月とは言わず、妊娠何週という表現をします。1週間を7日間とし、ちょうど40週で分娩予定日になります。なので4週を1か月(28日)とすると約10か月なんですね。最後にきた月経(生理)から数えますので、あれ?生理が1か月以上来ない・・・と思って病院にいくともう妊娠6週とかになるわけです。

 妊娠9週で赤ちゃんの大きさは約2㎝ほどです。ここから赤ちゃんは驚異的な成長を見せていくわけです。ほとんどのお母さんに胎動を感じるようになるのはだいたい20週くらい、妊娠5か月あたり。妊娠30週で赤ちゃんの体重は約1.5㎏まで成長。ここからはお母さんのお腹も加速するように大きくなる時期になります。そして出産。陣痛(分娩の始まり)は子宮収縮が10分に1回来るようになったらスタートです。ここから長い戦いになります。初めての出産の方は出産までの時間が24時間を超える方もいます。お母さんは赤ちゃんに声をかけながら痛みに耐え続けます。赤ちゃんにとってのこの瞬間というのは長い長い人生の中でもっとも危ない橋を渡っている瞬間でもあります。それでも橋から落ちないようにお母さんの声に導かれながらトンネルの先に進みます。そして出産。赤ちゃんはおぎゃーと泣き自分で呼吸を始めお母さんの胸に抱かれます。

 出産には様々なドラマがあります。もちろんいいドラマばかりではありません。しかし、赤ちゃんが無事、橋を渡り切れるように、お母さんが元気な赤ちゃんを抱っこできるようにお手伝いするのが産婦人科のドクターや助産師、看護師です。興味を持って目指していただけたら幸いです。

 写真は学会発表の写真です。まだ若輩者ですので日々の業務をこなしつつ、勉強、発表させていただいています。

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