駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報 ドクターリレー Vol.13
2013年12月2日
山崎 玄蔵(19期 道志村国民健康保険診療所勤務)
今回のドクターリレーを担当する19期生の山崎玄蔵です。駿台甲府高校卒業後、自治医科大学に入学しました。臨床研修後はいわゆる義務年限のため地域医療に従事することとなり都留市立病院を経て、現在は道志村国民健康保険診療所で勤務しています。
一般向けの医療情報としてがん検診・人間ドックについてお伝えしようと思います。がん検診というのは皆さんご存じのとおり癌を早期発見し早期治療へと導くために行われています。非常に優良なシステムなのですが日本では3~4人に1人しか受けません(20%台後半)。とても残念でもったいないことです。欧米諸国は70%以上の高い受診率であり、日本の現状はある意味ではとても恥ずかしいものかもしれません。
健診やドックで癌が見つかる場合には早期のことが当然多いため治癒率も高いです。健診で発見された癌の8割程度は完全に治癒してしまうのです。ちなみに、体の不調をきたして病院で検査して発見された癌の治癒率は50%程度です。進行してからでは治療が困難であることは統計データが証明しています。健診を受けると「癌がある」と言われるのが心配という方も多いかと思います。「癌があります、しかし早期なので治るでしょう」と言われるとしたらどうでしょうか。少し、前向きな気持ちになりませんか。
がん検診は40歳以上の人には全員(子宮頸がん検診は25歳以上の女性)に勧められるものです。また、1回受診したらよいというわけではなく継続的に受け続けることで早期発見につなげることが大事です。「昨年は大丈夫だったが今年は早期がんが見つかった」というケースが一番がん検診の恩恵を受けているのです。もちろん毎回異常なしになることが理想なのですが未来は不確定ですので定期的に健診をしっかり受けましょう。