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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.16

今井 大助(8期 今井整形外科)

 地元にある駿台甲府高校を卒業してすでに四半世紀(平成2年卒)、毎日片道30分、自転車で学校に通っていたあの頃、いつもギリギリの時間に家を出ていた私は、数秒?遅刻をすると、『風がアゲンストだったので...』と真顔で言い訳をし、先生に怒られていたのが昨日の事のようです。「もうそんなになるのか」と当時の事を思い出しながら、今回のドクターリレーを担当させていただきます。

 現在私は甲府市内で、整形外科医院や高齢者施設の運営などに携わっています。

 高校を卒業後浪人生活が決定し、予備校通いのため上京しました。1年後、順天堂大学医学部に入学し、その後は研修医、大学院、関連病院と、東京での生活が約18年続きました。父が整形外科医院を開業していたこともあり、平成20年、そろそろ甲府にUターンして、腰を据えて頑張ろうと覚悟を決めて現在に至ります。

 当初は、勤務医だった大学時代とのギャップに苦しみ、地元であるにもかかわらず、何とも言えない物足りなさを感じていました。医院の他に複数の高齢者施設の統括や経営など、大学時代とはまた違ったストレスは予想外でした。しかし、そこはやはり古巣、小学校、中学校、特に高校時代の恩師や、先輩後輩の絆も少しずつ回復し、今は地域医療にやりがいを感じて頑張っています。県外で活躍されている駿台甲府出身のドクターも多い中、私の場合多くの同窓生が身近にいて、医療従事者にしかわからない本音?!を話せる仲間がいることは、本当に心強く幸せなことです。また、駿台甲府高校30周年記念式典に出席した際、ドクターのみならず、様々な分野で活躍している方々の存在を知り、とても励みになりました。

 みなさんご存じのように、現在の日本は、65歳以上が全体の25%を占める超高齢化社会であります。高齢者が増えるにつれ、医療費や介護保険費の増加など、大きな社会問題となっています。寝たきりや介護が必要な高齢者の原因の多くを占めるのが、運動器症候群(ロコモーティブシンドローム)です。毎日患者さんと身近に接して診療をしていくにつれ、運動器に問題を抱えている高齢者がいかに多いのか、今まで以上に考えるようになりました。主に手術がメインだった大学とは違い、開業医はリハビリを含めた保存療法が中心です。特に甲府に戻ってからは、比較的元気な人から介護が必要な高齢患者さんを多く見る機会が増え、開業医として取り組むべきは、やはり高齢者医療であり予防だと思うようになりました。

 一方で、スポーツドクターとして、地元小学校の学校医や、高校、大学のスポーツ選手のメディカルチェック、また救急医療センターなどの地元医師会事業にも積極的に参加し、様々な機会を通して医師同士のコミュニケーション作りを心掛けています。

 これを機に、駿台甲府出身ドクターともうまく連携し、ともに地域医療に貢献できれば、と考えています。今後ともよろしくお願いします。

経 歴【駿台甲府高校8期生】
H2年 駿台甲府高等学校卒業
H3年 順天堂大学医学部入学
H9年 同上卒業
H9年 順天堂大学整形外科入局
H12年 順天堂大学大学院入学
H16年 同上修了
H20年 今井整形外科

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