駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.29
2016年8月1日
岡田 隆(20期 順天堂静岡病院膠原病リウマチ内科 勤務)
はじめまして、ドクターリレーVol.29を担当いたします20期生の岡田隆(おかだたかし)です。私は高校卒業後、順天堂大学医学部に入学し、順天堂大学膠原病リウマチ内科に入局いたしました。順天堂医院勤務の際は、駿高出身の先輩医師、順天堂担当の製薬会社の方々と「駿台甲府会」で楽しく交流させて頂きました。現在は順天堂静岡病院に勤務し、山梨とは反対側からの富士山を眺め、同僚、研修医と楽しく充実した日々を過ごしております。
今回は少し膠原病の話をさせて頂きます。
膠原病というと、「よくわからない」、「難しい」、「治らない」といったイメージが連想されることと思います。学生の頃は私も同じように思い、まさか将来自分が膠原病内科医になるとは思っておりませんでした。
膠原病とは、免疫力・抵抗力に異常をきたし全身のあらゆる臓器に慢性的な炎症を引き起こす疾患群の総称です。その代表的な疾患が関節リウマチであり、その他にも多数の疾患があります。関節リウマチ(約100万人)以外の疾患の患者数は少なく、全身におよぶ特殊な疾患故に、適切な診断、治療が重要となります。
全国には膠原病内科医不足・不在の地域も多いと聞きますが、順天堂大学には約55名と膠原病内科としては多くの医局員が在籍し、症例数も多い中で診療、研究を行っております。その中で感じることとしては、「気づかれず進行後に受診するケースが案外多い」ことです。
残念ながら未だ原因は不明で、上手く付き合っていく病気ではありますが、若い方に発症する病気も多く、早期に診断し、適切な治療を行い、寛解(病気が落ち着いている状態)となることで、その後のQOLは大きく変わります。最近では生物学的製剤などの新薬の登場により、特に関節リウマチ診療は大きく変化し、現在進行形で診断、治療の研究、治療は劇的に進化しています。案外身近な病気のこともありますので、膠原病疾患かなと少しでも思うことがありましたら、一度専門病院を受診してみて下さい。
経歴
2002年 駿台甲府高等学校 卒業
2003年 順天堂大学 医学部 入学
2009年 順天堂静岡病院 初期研修
2011年 順天堂大学 膠原病リウマチ内科 入局
2013年 順天堂静岡病院 膠原病リウマチ内科 勤務