駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.33
2017年4月3日
坂本 育子(13期 山梨県立中央病院産婦人科勤務)
初めまして。ドクターリレーvol.33を担当いたします、13期生の坂本育子と申します。先日「駿台甲府の会in 県立中央病院」で天野先生からドクターリレーのお話をいただきました。
私は高校卒業後、筑波大学医学専門学群に入学し、その後名古屋で産婦人科医として勤務していました。色々なご縁があって、平成17年から山梨県立中央病院で働いております。当時はすぐ名古屋に戻るつもりでしたが、気が付いたら10年以上が経過していました。やはり地元が良かったということでしょうか。
お産の勉強をしたくて産婦人科医になったのですが、現在の専門は婦人科腫瘍です。周りの理解と協力を得て山梨県立中央病院の婦人科診療は変わりつつあります。その取り組みを簡単ですがご紹介いたします。
一つ目は「腹腔鏡下手術、ロボット手術の導入」です。山梨県は腹腔鏡後進県と言われていることはご存知でしょうか?当院では2014年から腹腔鏡下手術に力を入れ、現在では県内唯一の子宮悪性腫瘍手術における腹腔鏡下手術の施設認定を取得しました。また医療用ロボットda Vinciでの手術も行える環境を整えました。婦人科腫瘍に対してこの二つの手技を同一施設で行えるのは日本でも限られております。
二つ目は遺伝子解析の導入です。当院にはゲノム解析センターがあり、現在様々な癌腫の遺伝子解析が行われております。私も卵巣癌に関する遺伝子解析の研究に携わっており2016年にはアメリカ癌学会雑誌「Cancer」に論文が掲載されました。
これらの取り組みは全て「近県に行かなくてもより良い医療を受けたい」という患者さんのニーズを叶えたいと思い始めたことです。山梨に還元できる何かをこれからも探しながら診療に邁進していきたいと思っております。
写真はダビンチXiのセッティングを行なっているところです。