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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.37

江口 英人(18期 横浜市立大学附属市民医療センター 高度救命救急センター勤務)

 ドクターリレー vol.37を担当します、18期生の江口英人です。

 私は駿台甲府高校を卒業後、北里大学医学部へ進学し、横浜市立大学整形外科へ入局、現在は横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターに勤務しています。今回は緊急度の高い重傷外傷患者の救急診療を24時間体制で行う3次救急医療機関のお話をしたいと思います。

 高度救命救急センターとは、広範囲熱傷・四肢切断・急性中毒などの特殊疾病患者にも対応できる3次救急医療機関ですが、神奈川県内には2施設しかありません。搬送されてくる症例は、上記特殊疾病に加えて心肺停止、交通外傷、墜落外傷などの高エネルギー外傷、多発外傷、脊髄損傷、意識障害、敗血症といった他院では対応困難な重症なものばかりです。370万人の横浜市民を守るまさに「最後の砦」が当センターとなっています。整形外科医として関わることの多い疾患は骨盤骨折、脊髄損傷、四肢開放骨折などで、搬送されてきた日に緊急手術となることがほとんどです。常に緊迫感のある環境ですが、一般病院では経験しない重度外傷の診療を行うのに加えて、外傷初期診療をはじめとする一般整形外科では習得しづらい知識や手技を学ぶことができ使命感とやりがいを感じています。

 救命センターのスタッフは、救急科、整形外科、外科、形成外科、脳神経外科、内科、精神科のメンバーで構成されています。重症患者に対して病院前治療から集中治療まで、同じ方向性を持って様々な科の医師と他の医療者が患者の治療にあたります。そのため最も大切なことは「チーム医療」です。情報を共有しグループで患者を診る、チームの一員としての自覚と連帯感が必要です。今後もチームワークとコミュニケーションを大事にしながら研鑽を積んでまいりたいと思います。

 今回ドクターリレー執筆の機会を頂き、高校時代に汗を流して仲間と練習に明け暮れたラグビー部での日々や、恩師である保坂先生との出会いに頭をめぐらせ、あらためて駿台甲府で学んだ日々が今の自分の糧になっていることを感じました。だいぶ山梨からは遠ざかってしまっていますが、いつかはこれまで経験したことを活かし山梨の地域医療に貢献できればと思っています。

(写真右が江口さん。同僚と横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターCT初療室で)

経歴
2000年 駿台甲府高校卒業
2006年 北里大学卒業
2008年 横浜市立大学附属病院 整形外科
2009年 大和市立病院 整形外科
2012年 神奈川県立足柄上病院 整形外科
2014年 関東労災病院 整形外科
2015年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター

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