駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.46
2019年6月3日
齋藤 惇平(27期生 昭和大学横浜市北部病院 循環器内科)
ドクターリレーvol.46を担当します、27期生の齋藤惇平です。余談ですがvol.36の齋藤佑一は実の兄で、齋藤家は出しゃばり感が否めませんね(笑)。自分は現在循環器内科として、主に心臓の病気を相手に診断・加療に従事しておりますが、そういった話はこれまでの諸先輩方が話してくださっているようなので、自分は医学部に入ることや医者とはどういった職業なのか高校生のうちではわからなかったことなど在校生向きに話をしようと思います。
医学部に入って知ったこと
1 医学部は定期的に試験があるが、試験前までは部活に従事したり、バイトに精を出したりなどは可能で、そこまで拘束が強いわけではありません(大学にもよるでしょうが)。ただ病院実習が始まると拘束時間はかなり長くなります。
2 医学部の勉強はやることが決まっており、相対評価なので突出する能力というよりは周りと同等の勉強ができているか把握する能力が大事。
3 入学して一度も留年せずにストレートで国試合格する割合は自分の大学でだいたい75%程度なのでそれなりの注意は必要です。
医者になって感じたこと
1 医者は専門分野が細分化されており、一口に医者といってもやることは多種多様。臨床がメインとはいえ基礎の分野もあり、研究や教育も大事な任務です。東大の進振りなどは成績によって希望に添えない場合が出てきますが、医者は希望すればほぼその領域に進むことができます(笑)。何もやりたいことが決まらない人は、案外医学部に行くのが一番自分のやりたい領域を模索するのにいいのかもしれません。
2 基本的にある程度の所得はあり、どこも雇ってもらえないなんてことはないので確かに安定はしていると思います。また能力値が高くても低くても所得面で差がつきづらいです。自分に圧倒的な才能を感じて、金銭を追い求めたい方には向いてないです(笑)。
3 基本的に雇用者ではありますが、病院内では少なからず地位は高い傾向にあるので他の職種からあまりに理不尽な要求や言い分を言われることは少ないです。ただそれに甘んじて態度が横柄になる医師も中にはいるので、皆さんが医師になった際は威張りちらさず謙虚になりましょう、自分も気を付けております(苦笑)。
あくまで個人的な意見にすぎませんし、まだまだお伝えしたことはありますが長くなってきたのでこのあたりで終わります。
とはいえ、まずは医学部に合格しないとなりません。勉強は自分が覚えた知識を使って問題が解けることに喜びや充実感を感じるようになれば徐々に進んでいくと思います。医者になっても自分が勉強してそれが臨床に活きると、喜びや以降の診療の活力になったりします。
完全に在校生向きの文面にはなりましたが、以上をもってリレーをつながせていただきます。御精読ありがとうございました。
経歴
2009年3月 駿台甲府高校卒業
2015年3月 昭和大学医学部卒業
2015年4月 昭和大学横浜市北部病院 初期研修医
2017年4月 昭和大学横浜市北部病院 循環器内科