駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.52
2020年6月1日
村田博昭(8期生 上野原市立病院 眼科)
ドクターリレーVol.52を担当させていただく8期の村田博昭と申します。同期の高橋先生から紹介されました。経歴ですが、自治医科大学卒業後山梨県立中央病院での研修を経て、身延町にある身延山病院に眼科医として20年近く勤務しました。現在は主に上野原市にある上野原市立病院で眼科を診療しています。
8期と言えば、前回の高橋先生も書いておられるように八田政久現校長先生が教師として就任された記念すべき学年です。1年生のときの副担任が八田先生でしたので、僕は先生にとって最初の教え子のひとりです。八田先生が校長先生になったときは、まだ娘3人とも駿台にお世話になっていましたので、非常に感慨深かったです。まだ一番下の子が高1在学中ですので、これからもお世話になります。
高3のとき、当時は成績で順番にクラス分けされていたのですが、僕は理系で2番目のクラスでした(ちなみに前回の高橋君は優秀なのでもちろん一番いいクラスです)。ですので、医学部に行くにはやり方を考えなければと、英数理を重点的に勉強し、苦手な国社は半ば捨てることにしました。
ただ、そうすると国立は厳しくなり私立ということになりますが、普通のサラリーマンの家庭では学費が払えません。どうしたものかと悩んだ所で自治医大の存在を知りました。ご存知の方も多いと思いますが、自治医大は9年間へき地医療に従事することで学費が免除になる大学で、ここしかないとの思いで勉強し、現役で合格することができました。当時担任だった数学の永山先生に、医学部受験の生徒向けに微分積分の講義を確か夜の9時くらいまでしていただきました。本当にありがとうございました。
自治医科大学卒業後、へき地医療をするにあたりあえて眼科を選びました。眼科という科は都会には割と多いのですが、へき地にはまだまだ足りず、常勤の医師がいない病院も多くあります。また近年平均寿命が延びたことにより、元気なお年寄りが増えました。20年位前は90歳を超えて白内障の手術をされる方はそれほどいませんでしたが、今では結構います。へき地では眼科の受診機会が少ないため、白内障や緑内障が進行してから受診する人も少なくありません。白内障は手術すれば回復の可能性はありますが、緑内障は進行すると元には戻りません。今後こういった方々を少しでも減らすべく、「死ぬまで見える」を目標に診療していきたいと思います。
最後に今回改めてドクターリレーを拝見して、多くの卒業生が医学の道に進んでいることに心強く感じました。近年、医学部受験は難易度が上がりとても入りにくくなっていますが、そういった中でも常に一定の合格者を出しているのはさすが駿台と誇らしく思っております。