駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.53
2020年8月3日
荻原 剛(31期 山梨県立中央病院 研修医)
この度ドクターリレーVol.53を担当することになりました31期生の荻原剛と申します。私は中学校の15期生でもあり、6年間、駿台甲府にお世話になりました。卒業後は栃木県にある自治医科大学に入学し、そこで医学の基礎を学び、現在は山梨県立中央病院で初期研修医2年目として日々充実した生活を送っています。
山梨県立中央病院は初期研修のプログラムが充実しており、多くの症例を経験することができます。当院は日本に15施設ある市中病院の高度救命救急センターの1つであり、年間で2,000人程度の三次救急患者が搬送されてきます。ドクターヘリやドクターカーなども配備され、多くの重症患者の診療に携わることができます。研修医は救急科のローテートが必須であり、交通外傷、中毒、熱傷、様々な内因性疾患といったように幅広く症例をみることができます。これは病棟研修では得られない貴重な経験だと思っています。また当院は二次救急の役割も担っており、こちらは初期研修医がfirst touchを行います。基本的に研修医が主となって診察、方針を決めていき、上級医に相談する形式をとっているのですぐにfeedbackを受けることができます。研修医にとって二次救急は診療能力を大きく伸ばすことができる場です。このように当院の研修ではcommon diseaseから重症の患者まで診察に携わることができ、2年間で大きく成長することができると思います。
さて、私は自治医大卒業生ということもあり医師3年目からは山梨のへき地で働くことになります。私は地元山梨が大好きで、山梨県の医療過疎地の方々に医療を届けたいとずっと前から思っていましたし、今現在もその気持ちに変わりはありません。しかし、いざ来年からへき地で働くことを考えると不安でいっぱいです。地方の病院には上級医が少ないため、3年目から自分の判断で物事を決めていかねばなりません。そのような過酷な状況に立ち向かうにはどうしたらいいのか。そこで私が思い出したのは、駿台で教わったchallenging spiritです。駿台のホームページを開くと一番最初にでてくる言葉です。在学中も耳にたこができるほど聞きました。当時はなんとも思っていなかったのですが、今になって心に響いてきています。この「何事にも果敢に挑む精神」を忘れずに日々を一生懸命に生きていけばなんとかなるだろうと思っています。この精神はこれから先ずっと持ち続けていきたいです。
これから大変なことが続くと思いますが、めげずにやっていきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。