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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.61

新藤 琢磨(17期 NPO法人医師につながる救急医療相談 代表理事)

新藤 琢磨(17期 NPO法人医師につながる救急医療相談 代表理事)
 ドクターリレーVol.61を担当することになりました、17期の新藤琢磨と申します。

 中学生の頃、明野村民だった私にとって中央線から見える駿高の赤レンガ校舎は都会の象徴であり、当時の憧憬は今も鮮明に覚えています。在学当時は、よくクラスメイトと近くのラーメン屋へ行ったり、友人宅に入り浸ったり、、、ほかは取り上げるのも憚られるような粗相な記憶ばかりですが、それも青春だったと懐かしく感じます。学業面では、3学年時担任の坂本哲雄先生を始め、学問への多角的な視点を持つことを教えて頂きました。

 1999年高校卒業時は食糧・貧困問題への関心が高く他学部へ進学しましたが、医療に加えてインフラ整備にも携わるNGOに触発され、医療という専門性を持って社会課題に関われることに魅力を感じて進路変更し2002年に山梨医科大学へ入学しました。大学卒業後は総合診療医として主に地域医療に従事してきました。地域医療には明確な定義はありませんが、私は各地域の特徴に応じてうまく医療資源を供給して住民の健康やwell-being(よく生きる)を守るものと理解しています。サラッと書きましたが無論これを実行するのは容易でなく、現場で様々な問題(特に健康アウトカムが悪いこと)に直面しながら、改善のカギは自分の臨床力なのか、教育か、はたまた政策なのかと堂々巡りしていた時期がありました。この閉塞感から光を見出すべく2018年から東大の公衆衛生大学院(SPH)に社会人入学し、ここでの学びにより医療や社会を俯瞰する余裕と知恵を得ました。リカレント教育、おすすめです!

 こうした目で山梨県内の医療と向き合う中で、救急現場の非効率性を改善したいという思いに至りました。県内では夜間に体調を崩した際に相談する窓口がなく、住民は我慢するか救急受診するかを自ら決断する必要があります。このため軽症者のコンビニ受診、逆に重症者の受診遅れが生じてしまいます。これを解決すべく、県内の有志医師でNPOを設立し、夜間の受診相談電話窓口を作ることにしました。2022年4月から開始予定で、団体のウェブサイトで電話番号などの案内もありますのでご覧いただき、皆様の周囲の方にもお知らせください。県民の夜間の安心感、および救急医療の円滑化に貢献していきたいと思います。相談担当医師を随時募集中ですので、もし趣旨にご賛同頂けるようならお気軽にご連絡下さい。よろしくお願い致します。

特定非営利活動法人医師につながる救急医療相談
電話 0570-057-119
ホームページ https://www.telehealth.or.jp
メール info@telehealth.or.jp

写真:職場での進藤先生

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