駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.1
2011年12月1日
市川 万邦(6期 南部町医療センター勤務)
今回から駿台甲府高校卒業生医師による医療情報、ドクターリレーを開始いたします。
第1回目は6期卒業、自治医科大学出身、現在南部町医療センター勤務の市川万邦が担当します。
皆さんの地域でもインフルエンザの予防接種が始まっていると思います。インフルエンザは冬季に流行し、流行に伴う個人的・社会的損失がたいへん大きく、十分な警戒が必要な疾患です。予防接種を行うことでインフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防することが期待され、流行や蔓延を防止することができます。特に高齢者や基礎疾患(心疾患、肺疾患、腎疾患など)がある方、小児は重症化しやすいので、かかりつけ医とよく相談のうえ、接種を受けることをおすすめします。
なお、今年から接種量等の変更がありました。生後6か月から3歳までは1回につき0.25ml、3歳以上は1回につき0.5mlで13歳未満(小学生まで)は2~4週間隔で2回、13歳(中学生以上)は1(もしくは2)回接種します。
予防接種後約2週間で効果が出現し、約5か月効果が持続するといわれており本格的な流行の始まる前の12月いっぱいまでには接種を終えておくようにしてください。予防接種を受けた日には過激な運動を避けて、注射部位は清潔にしておいてください。なお、接種日の晩は入浴しても差し支えありませんが長湯や、接種部位を強くこすらないようにしてください。
副反応は一般的に軽微です。注射部位が赤くなる、腫れる、硬くなる、熱をもつ、痛くなる、しびれることや、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが起こることがありますが通常は2~3日で消失します。強い卵アレルギーのある方は重篤な副反応を生じる可能性がありますので必ず医師に申し出てください。ショック、アナフィラキシー様症状(じんましん、呼吸困難など)、けいれん、ギラン・バレー症候群(両手足のしびれ、歩行障害など)などの症状が認められたり、疑われた場合には、すぐに医師に申し出てください。
各自治体により予防接種の公費負担の違いがありますのでお住まいの自治体に問い合わせいただき、ぜひインフルエンザ予防接種を受けていただきたいと思います。
第2回目は、3期生の海部 勉さん(牧丘病院勤務)の予定です。