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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.38

福田 匡志(21期 千葉大学医学部付属病院 アレルギー臨床免疫学)

 ドクターリレーVol.38を担当します、21期生の福田匡志です。

 私は駿台甲府高校を卒業後、千葉大学医学部へ進学し、千葉大学アレルギー膠原病内科へ入局し、現在免疫学の研究をしております。

 免疫とは自分と異物を分け、自分を守り、異物を排除する働きです。異物というのは細菌やウイルスだけでなく、癌細胞も含まれます。免疫は体中至る所を見張っています。そのため、全身転移した末期癌も攻撃し根治しえるため、将来医療の主軸を担う可能性がある分野であり、現在世界中の研究者が競って研究をしています。一方、誤って自分自身の正常細胞を異物と認識してしまう場合もあり、その場合、自己免疫疾患と呼ばれる難治性疾患にかかってしまいます。

 一方でお母さんのお腹の中の赤ちゃんはお母さんから見たら半分お父さんの遺伝子が入っているため、完全に自分ではなく、半分異物ですが、赤ちゃんはお母さんの免疫から攻撃されません。このように免疫には異物でも攻撃しない「免疫的寛容」と呼ばれるシステムも備わっています。

 いずれにしても「どのように異物を認識しているのか」「どのような場合異物を攻撃しないのか」「誤って異物を攻撃している状態をどのようにすれば攻撃しなくなるのか」等、現時点での医学ではわかっていないことが多く、その謎を解明することが今後の医療を大きく前へ進めることにつながります。

 千葉大学は昔から免疫学の研究が盛んであり、今後も免疫学で世界と渡り合っていく方針へ舵を切っています。少しでも免疫学に興味があり、チャレンジ精神をもち、医学の発展に貢献したい駿台甲府高校生はまさに千葉大学向きなので、是非がんばって入学してきてください。一緒に世界を変えていきましょう。

(日本アレルギー学会にて)

経歴
2003年3月 駿台甲府高校卒業
2011年3月 千葉大学医学部卒業
2011年4月 国家公務員共済組合連合会虎の門病院 初期研修医
2013年4月 国家公務員共済組合連合会虎の門病院 後期研修医
2014年4月 成田赤十字病院 内科医師
2015年4月 千葉大学医学部アレルギー臨床免疫学

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