駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報・ドクターリレー Vol.43
2018年12月3日
塩江遼太(24期 東京医科歯科大学医学部附属病院精神科勤務)
ドクターリレーVol.43を担当します、塩江遼太と申します。同級生の池田さんからの紹介で筆を執らせていただきます。私の母は駿台甲府中学・高校で数学教師をしておりますので、ご存知の方もいらっしゃるでしょうか。
学生時代を振り返ると、友人達と過ごした楽しい思い出ばかりがよみがえります。当時のエピソードはここには書ききれないため割愛しますが、今でも時々同級生と会い、思い出話に花を咲かせています。私の妻も中学からの同級生であり、駿台甲府に入学したおかげで素晴らしい人と出会えたことに(もちろんユニークで刺激的な友人達や先生方に出会えたことにも)心から感謝しています。
私は母校の東京医科歯科大学の精神科に入局し、青梅市立総合病院での勤務を経て、現在は大学病院で働いています。青梅市立総合病院は西多摩地域で唯一の精神科病棟を有する総合病院であり、身体的治療が必要な精神科の患者さんの入院を積極的に受け入れ、地域の医療や東京都精神科身体合併症医療事業に貢献しています。医局の関連病院の中では田舎にあり敬遠されがちですが、自然豊かな土地で、病院スタッフ間の風通しが良く、とても居心地の良い環境でした。一方で大学病院は都心にあり、交通の便が抜群に良いです。青梅と違って開放病棟のため興奮の著しい入院患者さんは比較的少なく、スタッフの数は豊富です。しかし、今の方が楽かと言えばそのようなことはなく、診断や治療に難渋している患者さんが集まってきますので、青梅とはまた違う大変さがあります。更に研修医や学生の指導、サマリー作成、カンファレンスなどには大学ならではの労力を要するため、今の方が忙しい気がしますが、勉強になりますし、やりがいを感じています(ある先輩は「そう思わないとやってられないよね」と言っていました)。
日本では精神疾患の患者さんの数は年々増加しており、障害調整生命年(DALY)は精神疾患がトップであり、社会への影響がとても大きいことから、精神疾患は五大疾病の一つに指定され、こころの健康を守ることの重要性が強調されています。一人でも多くの方に精神科医療に興味を持っていただき、精神科領域で活躍される方が増えれば嬉しく思います。
とりとめのない内容になりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
経歴
2006年 駿台甲府高校卒業
2012年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
2012年 東京共済病院 初期臨床研修医
2013年 東京医科歯科大学医学部附属病院 初期臨床研修医
2014年 青梅市立総合病院 精神科
2017年 東京医科歯科大学医学部附属病院 精神科