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駿台甲府高等学校同窓生医師による医療情報ドクターリレーvol.66

内藤 雅仁 (17期 北里大学医学部呼吸器外科 助教、Brigham and women’s hospital リサーチレジデント) 

 ドクターリレーVol.66を担当することになりました、17期の内藤雅仁と申します。駿台甲府が中高一貫校となった1期生です。今思えば、当時はまだ設立黎明期で、授業も部活も全てが手探り状態でした。自分が大学で生徒を教える立場になって、中学から高校まで支えてくださった先生方のありがたさを実感しています。

 高校からは外部生と一緒になり、個性的で優秀な同級生が増え、とても楽しかったと記憶しています。さらに高校で医師を目指した仲間たちは、前回の土橋君を筆頭に現在も交流があり人の縁の深さを感じます。

 群馬大学を卒業後は、初期研修後に外科医になりました。最後の砦である外科医(今はだいぶ医療情勢が変わりました)は体力的にも精神的に大変ですが、とてもやりがいのある科です。専門領域として私は、ダイナミックな手術が多い肺癌手術に興味を持ち呼吸器外科医を選択しました。その後、北里大学に入局し、呼吸器外科分野の臨床・研究を行っています。

 現在は、米国にあるハーバード大学付属病院であるブリガムアンドウィメンズホスピタルへ留学中です。留学初年度は、コロナ渦で生活はもちろんのこと、研究室に行くのさえ大変な状況でした。現在は規制もだいぶ緩和され、研究環境もかなり落ち着いています。

 私は米国でロボット気管支鏡とナビゲーションについて研究しています。ロボット気管支鏡はまだ日本に導入されていませんが、米国ではすでに臨床導入されています。私も実際に手術室に入って見学していますが、診断率は従来の気管支鏡よりも高く、将来的には手動の気管支鏡はほぼ置換されていくように感じます。しかしながら、まだナビゲーションについては問題があり研究しがいのある分野です。エンジニアと協力し、問題点を探りながら、ナビゲーションソフトウェアを開発していくのは、臨床に直結しやすいというところが魅力です。

 米国ではAIを使ったソフトウェアやロボットが多くの医療分野で導入されています。日本の医療の遅れに危機感を感じるとともに日本で自分に何ができるか葛藤する日々です。今年の4月からは、帰国し、北里大学で呼吸器外科医としてまた臨床・研究を再開し、留学での経験を日本の医療に還元できればと思っています。

1980年 甲府市 生まれ
1999年 駿台甲府高校卒業(17期)
2005年 群馬大学医学部 卒業
2005年 利根中央病院初期研修医・後期研修医
2010年 三井記念病院呼吸器外科レジデント
2012年 北里大学呼吸器外科入局
2014年 国立がん研究センター東病院呼吸器外科チーフレジデント
2016年 北里大学呼吸外科 助教
2021年 Harvard university, Brigham and women’s hospital,
    surgical planning laboratory リサーチレジデント 現在に至る

北里大学での手術風景
臨床に導入されているロボット気管支鏡。トラックボールで操作する。

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